大人の発達障害に対するカウンセリングや就職支援制度

大人の発達障害と就労支援制度

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大人の発達障害に対するカウンセリングや就職支援制度

発達障害は、脳の機能の一部に生まれつき障害があるために生じると考えられる状態のことです。
発達障害の代表的な例としては、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如多動性障害などがあります。
かつて発達障害は主に子供の障害として捉えられていましたが、大人の発達障害とは、成人してからはじめて発達障害と診断されることをいいます。カウンセリングをはじめとする、大人の発達障害に対する取り組みについてです。
大人の発達障害については、発達障害であることに気づくこと、適切な治療をきちんと受けること、周囲が適切な支援を行うこと、の三点を意識することが取り組みとして重要になります。
大人の発達障害については、単に性格上の特質と考えられたリ、他の精神疾患や心身症であると誤解されることがあります。
また、幼少期から見過ごされてきたために、本人も周囲も発達障害であることに気が付いていないことも多くあります。
そのため、まずは大人の発達障害であることが、きちんと明らかにされることが重要です。
大人の発達障害の可能性がある場合は、発達障害の外来を設置している病院や、発達障害を得意とするカウンセリングサービスを利用して、総合的なサポートを得ることが効果的です。

大人の発達障害の特徴と治療

発達障害は後天的に病として発症するものではないため、大人の発達障害とは、子供の時にその状態になっていたにも関わらず、何らかの理由で診断されずに成人を迎えた場合をいいます。
大人の発達障害が見過ごされやすい理由は、その特徴と関係があります。

大人の発達障害の適切な治療としては、一人一人の状態や特性にあわせて治療を行うことが重要です。
対人関係を苦手とする場合は、カウンセリングなどでコミュニケーションスキルを指導したり、人間関係における距離感について学びます。
ルールを守ることや習慣の習得を苦手とする場合は、社会的なルールの学習や、習慣的に日記をつけることなどを指導します。
環境調整という方法もあります。発達障害の人が使いやすい物を日常生活の中で用意したり、話をするときに分かりやすい表現を工夫したりして、本人が落ち着いて生活しやすい環境を整えます。
環境調整を効果的に実施するためには、家族や友人などの周囲の人々の適切な協力が重要になります。
薬物療法も必要に応じて行いますが、生活の中の弊害を防止するためや、うつ状態や不安などの二次的な症状を軽減するためなど、補助的に用います。

後天的な精神疾患と混同されやすい

大人になるまで見過ごされていた発達障害の場合は、社会生活においてトラブルや困難が生じた際にカウンセリングや精神科などを受けて、他の精神疾患と誤って診断される場合もあります。
それによって薬を飲んでも症状が悪化したり、精神療法が効果的でないなおどの弊害が生じます。発達障害に詳しい専門家の診断でようやく判明する場合もあります。
逆に、職場や周囲から精神疾患を懸念されて受診したところ、発達障害が見過ごされていたことが判明する場合もあります。
症状が中々改善しなかったり、カウンセリングなどの療法が著しく効果的でない精神疾患の裏には、それまで見過ごされていた大人の発達障害が存在する場合があります。
治りにくい精神疾患などの背後に大人の発達障害が存在することを、重ね着症候群ともいいます。

知能が高い場合が多い

知能の発達に問題がないタイプの発達障害の場合、他に目立った特徴がなければ、子供の頃に発達障害とは疑われない場合があります。
その場合は、学校生活などで少し浮いた感じはするものの、目立ったトラブルもなく、特に成績も良い場合は、少し変わった子と思われる程度で、発達障害とは気づかれずに成長を重ねていきます。
成人して職場で働くなど、密度の濃い人間関係や責任の重い立場になってはじめて、社会的な暗黙の常識やルールを理解できずに孤立したり、トラブルに巻き込まれる場合があります。
それを解決するために診断を受けてはじめて、本人も周囲も大人の発達障害であると気が付くことがあります。

大人の発達障害にみられる行動

発達障害はその種類によって際立った特徴やカウンセリングなどの治療法は異なりますが、代表的な行動としては以下のものがあります。
その場の空気や雰囲気を読むことができない、段取りをつけて仕事をすることが苦手である、うっかりミスや忘れ物が多い、机や持ち物の整理ができない、用事や約束事を忘れてしまう、などです。
こうした行動はときどきは誰にでも有り得るものですが、大人の発達障害の場合は、ときどきではなくいつも、こうした問題に悩まされているのが特徴です。
こうした問題は実は幼少期から起こっていたことですが、本人も周囲も見過ごしていた結果、就職して初めて問題が表面化することが多くあります。
その結果、大人の発達障害であると気が付かないまま自分自身について悩み続けることで、うつや不安など、発達障害とは別の症状を発症する場合もあります。

精神障害者保健福祉手帳について

精神障害者保健福祉手帳は、税金の控除や各種サービスの減額、テレビの受信料の減免などの支援を得ることのできる制度です。
等級は1級から3級まであり、等級によって制度の内容は異なります。大人の発達障害の場合も、条件を満たせば申請することができます。
手帳の交付を受けるためには、診断から6か月以上が経過していることなど、様々な条件があります。クリニックの窓口や厚生労働省のホームページなどで情報を得ることができます。

 

大人の発達障害の就労支援

大人の発達障害は成人後に診断などによってはじめて障害が判明するため、経済的な自立や社会的な生活など、就労の必要性が高い場合が多くあります。
それを踏まえて、様々な就労支援の取り組みが行われています。
障害者就業生活支援センターでは、就業のための支援だけでなく、それに伴う日常生活における支援を一体として捉え、総合的な支援サービスを実施しています。
障害者職業能力開発校では、職業につくために必要な能力や技術を会得するための機会や講座が開催されています。
地域障害者就業センターでは、地域の職業に関する相談を受け付けたり、職業に就くまでの準備の支援を行ったり、職業に関するリハビリテーションを専門的に行っています。
こうした各種の就労支援サービスを活用することで、発達障害の状態にあわせた、無理のない就労のための活動を行うことができます。

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