絵画療法を使ったカウンセリングの方法と特徴

絵画療法とカウンセリング

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絵画療法を使ったカウンセリングの方法と特徴

絵画療法とは、カウンセリングで実施される心理療法の一種です。
クライアントに自由に絵を描いてもらい、その絵を通じてクライアントの心を把握し、分析するのが代表的な方法です。
絵に表れているクライアントの感情や本当の気持ち、絵が表現しているものは何か、筆の運び方や色使いに表れているものなどについて分析を行います。

絵画療法の始まり

人間は古代においてすでに壁画などで絵を生活の一部としていたため、絵と人間の関わりは古くから存在します。
絵画を用いた療法が具体的に活用されはじめたのは、1940年代のイギリスにおいてです。
結核を治療するためにサナトリウムで過ごしていた画家のエイドリアン・ヒルは、絵画を描く活動を同じサナトリウムの入院患者に勧めました。
その経験をもとに、エイドリアン・ヒルは病の治療と絵画を描くことの関係について、アートテラピーという言葉を用いて説明しました。
その後、エイドリアン・ヒルの下で働いていた芸術家のエドワード・アダムソンが、1946年にロンドンの精神病院においてスタジオ形式のアートセラピーを開催しました。
それが反響を呼び、以降多くの精神病院において絵画療法が行われるようになりました。

絵画療法の特徴

絵画療法は言語によるコミュニケーションをとることが難しい場合にも、カウンセリングを行いやすいとい特徴があります。
言葉が未発達だったり、自閉症などの言語によるカウンセリングが難しい子供に絵を描いてもらうことで、心の中の状態を把握したり、子供の葛藤などに気が付くきっかけにすることができます。
認知症などの疾患によって、会話によるコミュニケーションが難しい老人などのカウンセリングにも効果的です。
絵画療法は単に非言語によるコミュニケーションに役立つだけでなく、療法を実施することで、対象者の心をリラックスさせたり、楽しい時間を共有することでカウンセラーとの信頼関係を高める効果もあります。

鑑賞による療法

絵画を描くのではなく、鑑賞することでリラックスなどの効果を得る手法もあります。
心が落ち着いたり、癒されるような絵を鑑賞することで、心身をリラックスさせたり、ストレスを解消したりします。
癒される絵の代表的な特徴としては、広大な自然をダイナミックに描いたり、柔らかい色使い、暖色の効果的な使用などがあります。
癒しの効果を期待できる絵画などは、ヒーリングアートともいいます。絵画だけでなく、カーテンなど日常生活で常に目にする家具などの色や柄などを工夫することでも、同様の効果を期待できます。

絵画療法の応用

カウンセリングの現場で用いられる絵画療法は、様々な場面で応用されています。
病院に入院している患者が、絵画を用いた院内のアートプログラムに参加することで、入院生活における精神的な負担を改善したり、臓器機能の改善や睡眠の質の向上などの具体的な効果を狙います。
また、投薬の軽減や回復時間の短縮などの効果を期待するために、病院など治療の現場にリラックスしたり心が和むような絵画を飾ります。
自然災害などの被害者のトラウマやPTSDの改善などにも、災害の経験に基づいた絵画やアートを作成する絵画療法が活用されます。

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