カウンセリングアセスメントの投影法の手法と4つの心理検査の方法

カウンセリングのアセスメントと投影法

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カウンセリングアセスメントの投影法の手法と4つの心理検査の方法

カウンセリングを実施する前に、クライアントの性格や特徴などについて情報収集を行うアセスメントには、様々な方法があります。
アセスメントの方法として、絵や模様などの抽象的なものをクライアントに提示し、それに対する反応を分析する心理検査があります。これを投影法といいます。

投影法とは?2種類の手法の違い

投影法はカウンセリングのためにクライアントの性格や癖を把握するだけでなく、外からはわかりにくい深層心理を分析する手段としても有効です。
外部から観察したり、簡単なテストを行うだけでは分析しにくい、クライアントの心の底にある隠れた欲求や情緒などが投影されます。
また、クライアントからみると、投影法の質問は抽象的なため、質問によって何をチェックしたいのかがわかりづらくなっています。
質問内容と回答結果の関連性を把握しづらいため、他のアセスメントと比べて恣意的な回答をしにくいという特徴があります。
他方、投影法は分析結果を解釈する作業が必要なので、投影法を実施する者の考え方や主観などが解釈に大きく影響します。
そのため、正確な判定結果を導きだすためには正確な知識な豊かな経験が必要になってきます。アセスメントの中では、難易度が高い手法といえます。
投影法には様々な手法があります。

ロールシャッハ・テストとは

スイスの精神科医であるヘルマン・ロールシャッハによって、1921年に考案されたアセスメントの投影法です。ロールシャッハ検査法ともいいます。
インクを落とした紙を2つ折りにし、それを広げて作成した図画が描かれた、ロールシャッハ・カードというカードを用いて検査を行います。
カードは10枚1組になっており、カードには無彩色のものと有彩色のものがあります。
カードに描かれた図画はインクが広がって生じるもので、何か特定のものだけを具体的に表現したものではないため、観察する人によって様々な物に見えます。
クライアントにカードを見せて、図画が何に見えるかを質問し、その回答の内容からクライアントの性格や症状を分析します。
ロールシャッハ・テストは、どう答えるとどう分析されるかがわかりにくいため、回答を意図的に操作することが難しく、無意識の心理の分析がしやすいという特徴があります。
他方、テストの結果を正確に把握するためには熟練が必要となるため、正確に実施することは容易ではないという特徴があります。

TAT

TATは、アメリカの臨床心理学者であるマレーとモーガンによって開発されたアセスメントの投影法です。1935年に空想研究の一方法という論文の中で提唱されました。主題統覚検査ともいいます。
TATでは、人物が日常生活を送る場面が描かれたカードを1枚ずつクライアントに呈示し、その場面にまつわる物語を自由に作ってもらいます。
クライアントはカードに描かれた人物の性格、感情、過去、未来などを自由に空想して語ります。
語られた物語には、クライアントが感じている欲求や、クライアントが生活の中で受けている圧力が反映されます。
欲求は、クライアントが環境に対してどのように働きかけ対処するかの力を示し、圧力は環境がクライアントに影響を与える力を示します。
TATによって、クライアントが葛藤を生じる状況に対して、どう認識しどう対処していくか、性格や行動の傾向を分析します。

アセスメント心理検査の4つの方法

カウンセリングを効果的に実施するために行うアセスメントの方法として、心理検査があります。
心理検査は、クライアントの性格や特徴などを把握するために、テストを実施するアセスメントの手法です。
心理検査には、質問紙法や作業検査法などの種類があります。

質問紙法とは

質問紙法とは、カウンセリングなどにおいて質問を実施し、はいやいいえ等の回答をさせることで測定するアセスメントの方法です。
行動の傾向や性格の特性などを調査し、その結果を一定の基準によって整理したり数値化したりします。
質問紙法の長所としては、個人に対してだけでなく集団に対しても容易に実施できる、答えと照らし合わせるだけでよいので質問の実施と採点が容易である、などがあります。
アセスメントの結果を恣意的に操作するために、回答者が嘘の回答をする場合もあります。それを防ぐために、嘘がどれくらい混じっているかを示す虚位尺度などを設定し、測定の精度を高める方法もあります。

矢田部ギルフォード性格検査とは

質問紙法に属するアセスメント方法の一つに、矢田部ギルフォード性格検査があります。YG性格検査ともいいます。
アメリカの心理学者のジョイ・ギルフォードが作成した性格検査をもとに、日本の心理学者である矢田部達郎らが、日本人に適したものとして再構成したものです。
質問は全部で120問あり、はい、いいえ、どちらともいえない、の3種類から回答します。
各質問は10問ごとに分かれ、ぞれぞれ抑うつ性、気分の変化、劣等感、神経質、客観的、協調的、攻撃的、活動的、のんきさ、思考的内向、 支配性、社会的内向、の12種類の尺度から測定されます。
性格検査全体の結果から、5種類の性格的な傾向に分類することが可能です。
平均的でバランスが取れている平均型、活動的で外交的だが対人関係のトラブルが多い傾向のある不安定不適応積極型、情緒が安定し社会によく適応できる反面、消極的で内向的な安定適応消極型、などがあります。

作業検査法とは

作業検査法は、クライアントにある作業をさせることで、その作業の仕方や結果などから、人格や性格の傾向などを把握するアセスメント方法です。
特定の動作や刺激への反応を必要とする作業をさせるため、質問紙法と比較して、恣意的なうそが入り込みにくい客観的なデータを測定しやすいという特徴があります。
反面、カウンセリングにおいてクライアントの心理的な深い領域を測定することが困難である、作業検査法を実施する回数が増えると、慣れてきて正確な測定が難しくなる、などの特徴があります。

内田クレペリン検査とは

作業検査法に属するアセスメント方法の代表的なものとして、内田クレペリン検査があります。
内田クレペリン検査は、ドイツの精神医学者であるエミール・クレペリンの研究理論をもとに、日本の心理学者である内田勇三郎が作業検査法として確立したものです。
検査の方法は、検査用紙に並んでいる数字を左端から順番に足し算を行うものです。
1分経過したら2段目に移って足し算をし、また1分が経ったら3段目に移ります。この作業を前半15分間、休憩5分、後半15分間で実施します。
作業終了後、計算された数字を線で結ぶと、作業曲線という曲線を描きます。作業曲線は、性格によって様々な特徴が表れます。
それによって情緒の安定性、仕事に対する態度、環境の変化に対する適応力などを測定することができます。

 

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