カウンセリングや精神医療に関する日本のおすすめ映画2選

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カウンセリングや精神医療に関する日本のおすすめ映画2選

カウンセリングや精神医療に関係するテーマを扱った日本の映画についてです。

精神

岡山市にある精神科診療所に通院する様々な人々と、彼らの診察とカウンセリングを続ける山本医師の様子を、冷静に淡々と撮り続ける観察的な映画です。
状況を説明するナレーションやテロップを一切用いない独特のスタイルで撮影された映画で、一般的なドキュメンタリー映画とは一味違った臨場感を体験することができます。
映画にでてくる人物たちは、皆実際に症状と向き合いながら生きる人々です。年齢も症状も様々で、モザイクなしの素顔で映画に登場します。
リストカットや自殺未遂を繰り返す人、病を芸術として表現する人、何十年も自分の病と向き合い続けることで人生の哲学や信仰を獲得した人など、様々な人生の様子を観察することになります。
第13回釜山国際映画祭の最優秀ドキュメンタリー賞、第5回ドバイ国際映画祭の最優秀ドキュメンタリー賞、マイアミ国際映画祭の審査員特別賞など、世界各国の映画祭で受賞している作品です。
診療所や作業所、自宅での介護の様子やカウンセリングなど、映画には多くの現場に関わる人物が登場しますが、背景や人物を説明するテロップが一切ないため、どの人物がどんな立場なのかがわかりにくくなっています。
これはあえてその効果を狙った演出の一種で、先入観なしにありのままの姿を見ることで、精神病について真剣に考えたり共感できるようにしたものです。
映画の最後のエンドロールでは、撮影後の悲しい出来事についての説明がされています。精神の病を扱う現場では避けて通れないその出来事について、深く考えさせられます。
軽い気持ちで見ることはできませんが、きちんと考えたり感じたりすることができる映画です。

クワイエットルームにようこそ

芥川賞の候補となった自身の小説を、著者自ら監督となって映画化したブラックコメディーです。
ライターの佐倉は、見たことのない白い部屋で手足を拘束された状態で目を覚まします。
そこに現れたナースの江口からは、アルコールと睡眠薬の過剰摂取でここに運ばれ、昏睡していたのだと聞かされます。
佐倉が運ばれたのは精神科の閉鎖病棟で、担当医と保護者の同意がなければ退院できないと告げられます。
個性的な患者たちの様子に最初は戸惑う佐倉ですが、支配的なナースの江口を上手くやり込めたことをきっかけに、徐々に入院生活に馴染んでいきます。
主人公の佐倉は記憶喪失になっており、自分が入院することになった経緯を覚えていないので、映画の視聴者は主人公に感情移入しやすくなっています。
それによって、映画の後半で全ての記憶を取り戻す主人公の葛藤やそこからの成長を、自分のことのように体感することができるようになっています。
閉鎖病棟の中での診療やカウンセリングなどの様子を、日本的な情緒と感性に基づく構成で堪能することができます。
何かを隠している様子の恋人の鉄雄や、衝撃的な理由で拒食症となった入院患者のミキなど、個性的な登場人物たちの過去や秘密も、映画の魅力の一つです。
癖のある登場人物たちが織り成す黒い笑いの中で、病気の治療と人間の尊厳のバランスや、同じことを繰り返してしまう治療の難しさなど、病棟やカウンセリングの現場での問題について考えさせられる作品です。

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