コーチングと認知行動療法

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コーチングとは、目的の達成のためにクライアントのやる気を引き出したり、勇気付けたりして行動を促すためのコミュニケーションを体系化したものです。
コーチングは具体的な目標を達成するだけでなく、目標達成や課題解決のための行為や努力によって、クライアントの能力を高めたり、成長を促す役割もあります。
コーチングはビジネスやスポーツ、ショービジネスなどで成果を上げるために効果的なほか、子供の教育や能力開発、日常生活における悪癖の改善など、様々な分野に有効な手法です。

コーチングの種類

コーチングは、大きく分けて個人むけのパーソナルコーチングと法人むけのビジネスコーチングの二種類に分けることができます。
パーソナルコーチングは、個人の目標を実現したり、能力を伸ばしたり成長を促すことをコーチングの主眼とします。
ビジネスコーチングは法人や企業にとって有用な仕組みやテーマを扱います。社員のモチベーションを高める手法を模索したり、働きやすい職場を作るための社員の意識の改善を行うなどの活動があります。

コーチングの語源

コーチングのコーチとは、ハンガリーのコチ(Kocs)という町の名前に由来します。
コチは四輪の馬車が最初に製造された町で、乗り手を無事に目的地まで運ぶ馬車の役割が、学業やスポーツなどについて指導し、相手を導くコーチの語源になりました。

コーチングに必要なスキル

コーチングに必要なスキルは様々です。
目標達成のためには、クライアントのモチベーションを維持することが重要になってきます。
モチベーション維持のためにその時その時の無理のない課題設定や、モチベーションが低下したときの適切な励ましやケアができることが重要です。
次に、コミュニケーションの能力が重要です。目標達成のために必要なことや、次に何をすべきかなどの事柄を、相手にわかりやすい形で的確に伝えることができる能力が重要です。
また、効果的なコーチングのためには、障害やトラブルにも揺るがない強固な信頼関係の構築が大切です。そうした信頼関係を築くためにも、適切なコミュニケーションをとれるスキルが必要です。

カウンセリングとコーチングの違い

カウンセリングは今現在の問題を解決するために機能するのに対し、コーチングは問題ではなく、目の前の目標を達成するために機能するものです。
カウンセリングがマイナスをプラスにするものと考えると、コーチングはゼロをプラスにしたり、プラスの数を増やすものと考えることができます。

カウンセリングとコーチングの共通点

カウンセリングとコーチングには共通点があります。カウンセリングもコーチングも、クライアントが主体となる点で共通しています。
カウンセリングではクライアントが抱える問題点を明らかにし、それをケアするための手法を駆使したり、解決策を導くための対話を重ねます。
コーチングではクライアントが達成したい目標を設定し、達成のために必要な行為やモチベーションの持ち方について助言や指導を行います。
問題の解決も目標の達成も、最終的にはクライアント自身が行為を継続したり、モチベーションを維持するための努力を続けられるかどうかが重要です。
また、クライアントの性格や長所を把握して、一人一人にあった最適な方法を提案するための前提となる観察眼や、クライアントを励ましたり承認することで相手に力与える能力なども、共通して必要とされるものです。

カウンセリングなどで実施する認知行動療法の歴史において、条件反射や学習理論に基づいた行動療法を中心としたものを第一世代といいます。次に、行動療法と認知療法を組み合わせたものを第二世代といいます。
そして、第二世代を超えて、新たな手法や理論を取り入れたものが、第三世代の認知行動療法です。
第三世代の認知行動療法の代表的なものとして、マインドフルネス認知療法があります。

マインドフルネス認知療法とは

マインドフルネス認知療法は、認知行動療法に瞑想の概念を取り入れたものです。
マインドフルネスとは、気づきのことです。気付きとは、日々の生活の中で心に浮かんでくる様々な思考や感情に流されて一体化することなく、そこから一歩離れて観察できるようになることです。
例えば、人に失礼なことをされて腹を立てたとき、その怒りの感情に飲まれてそのまま相手に文句を言うのではなく、腹を立てているという自分の状態にまず気付く、ということです。
自分の思考や感情が湧いてきたときにそれに気が付けば、それらに自動的に飲み込まれることなく、そこから一歩離れた自分を見出すことが可能になります。
カウンセリングなどでマインドフルネスの技法を身に着け、それを生活の中で活用することで、否定的な考えに飲まれたり、それに基づいた行動を自動的に行わないようにすることを目指します。

マインドフルネスの実践方法

マインドフルネスを実践するための代表的な技法は、瞑想をすることです。これはマインドフルネス瞑想と呼ばれるもので、古代インドの原始仏教の修行として行われていた瞑想法です。
瞑想は座って行うというイメージが一般的ですが、マインドフルネス瞑想は、立って行う瞑想、歩きながら行う瞑想など様々な種類があります。
瞑想を実践するときは、何か一つの感覚だけに注意を向けることを心がけます。
例えば、座って行う瞑想では、自分の腹部の動きに意識を向けます。呼吸にあわせてゆっくりと上下する腹部の動きに注意を向け、その状態を心の中で確認します。
腹部に集中しようとする間に、心の中には悩みや昨日の出来事など、様々な雑念が浮かんできます。
雑念が湧いてきたら、それらの思考や感情に対し、心の中で言葉にしすることで確認を入れていきます。これをラベリングといいます。
雑念をラベリングすることで、 そうした思考や感情に囚われることなく、一つの感覚に集中しやすくなります。
マインドフルネス瞑想を続けることで、思考や感情に囚われることなく、物事をありのままに受け止めることができる心の状態を徐々に形成していきます。

マインドフルネス認知療法の特徴

第二世代の認知行動療法の特徴として、自分の思考を認知した後、それをより望ましい方向へ操作しようとすることがあります。
マインドフルネス認知療法は、思考を認知した後にそれを操作することはせず、ありのままに受け止めようとするのが特徴です。
思考を変えようとするのではなく、思考は単に自分の心の中で沸き起こる出来事にすぎず、ただ放っておけばよいものとして捉えます。
思考をありのままに受け止める練習を繰り返すことで、生活の中の出来事や瞬間を、あるがままに受けとめられるようになることを目標とするものです。