今、女性のアルコール依存症が増えている?

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今、女性のアルコール依存症が増えている?

みなさんは大丈夫?

ひと昔前は女性の飲酒はあまり一般的ではありませんでしたが、女性の社会進出に伴い、女性がお酒を日常的に飲む機会も増えてきました。全国調査では前半の年代で、ついに女性の飲酒率が男性をうわまわりました。週3回以上飲酒する週間飲酒者も女性は6.3%(1989)から7.7%(2011年)と次第に」増えており、減少傾向にある男性とは対照的になっています。厚生労働省研究班の2013年の調査では、アルコール依存症の女性も推計14万人で、2008年の約8万人から急激に増えていることが明らかになりました

女性にとって安全な飲酒量は男性より少ない

女性は男性よりも体脂肪が多く、その分体内の水分量が少ないため、同じ飲酒量でも血中アルコール濃度が高くなってしまうことが考えられています。また、アルコール代謝能力も平均すると女性は男性の4分の3程度しかない為、「より少ない飲酒量」「より短い時間」で血中アルコール濃度が増加する傾向にあるのです。さらに、女性ホルモンにはアルコール分解を抑える働きがあると言われています。女性の安全な飲酒量は男性の3分の2くらいとされていますので、注意してくださいね。

アルコール依存症の症状

アルコール依存症とは、お酒の飲み方(飲む量、飲むタイミング、飲む状況)を自分でコントロールできなくなった状態のことをいいます。飲むのは良くないと、わかっていても、脳に異常が起きて飲むことをやめられなくなるのです。その意味では、アルコールは麻薬や覚せい剤と同様の依存性の高い薬物の一種ともいえます。また、アルコール依存症は患者さん本人の意思の弱さによって起きるものではありません。現代社会人間関係のお付き合いにお酒の席が多いのも要因ですね。

飲酒を続けると耐性ができて酔いにくくなり酒量が増える

アルコール依存症を発症するまでの期間は、男性と女性では異なり、男性に比べ女性はその半分程度と言われています。習慣的な飲酒は、アルコールに対する耐性をもたらします。飲酒を始めたころには少量のお酒でも気分良く酔えていたのが、徐々に酒量が増え、酔った感じがしなくなってきます。さらに、家庭や社会生活に影響があっても、気にすることもなく、飲酒量がいつも以上に増えたり、飲む時間や飲む場所を気にしなくなるのです。この状態でさらに、飲酒を続けると、少しでも酒を口にすると、自分の意志が働かなくなり、程よいところでやめられなくなってしまう。これがアルコール依存症です。普通の主婦のキッチンドリンカーが耳にされたことがあると思いますが、このような状態に陥ると、夫から「離婚する」職場から「退職してもらう」医者から「命に関わる」などと言われても飲酒をやめられず、ほぼ毎日、数時間おきに飲むようになります。そしてこの依存は、目を覚ますと飲み始める、酔うと眠り、再び目覚めると飲み始めるという連続飲酒を起こすようになります。

本人ばかりでなく周囲の人も巻き込んでしまう

アルコール依存症は、身体、仕事、家庭など悪影響をもたらします。家族は経済的問題・別居・離婚など深刻な問題に直面することになりかねず、子供は親の暴力や、暴言、育児放棄により、健全な心身の発達が損なわれる可能性があります。職場の上司や同僚には、欠勤や仕事上のトラブルで迷惑をかけ、さらには飲酒運転など重大事故の発生につながる恐れもあります。ところが、患者本人はこのような飲酒関連の問題が起きても、家族や周囲の人の注意や説得を聞こうとしません。これはアルコール依存症になると、問題が起きても自分に都合よく考えて反省しなくなるためです。何かにつけお酒を飲めば楽になることを自分自身が知っているからです。また、お酒を飲んで幸せに暮らしている自分をとがめる周囲に対し反発したり、依存症であることの悪影響を否認するようになったり、自分では飲酒の問題にうすうす気づいていながら、周囲に助けを求めなくなります。

アルコール離脱症状がさらなる飲酒の原因に

アルコール依存症の患者さんでは、体内のアルコール濃度が下がってくると、様々な自律神経症状や情緒不安、手の震え、幻覚といった症状がみられるようになります。これを「離脱症状」と言いますが、起きる時期によって早期離脱症状と後期離脱症状にわけられます。早期離脱症状は飲酒をやめて数時間すると出現し、手や全身の震え、発汗、不眠、吐き気、嘔吐、血圧の上昇、不整脈、イライラ感、集中力の低下、幻覚(虫など)、幻聴などが見られます。後期離脱症状は飲酒をやめて2~3日で出現し、幻視(見えるはずのないものが見える)、見当識障害(自分のいる場所や時間が分からなくなる)、興奮などのほかに、発熱、発汗、震えがみられるようになります。そして患者さんは、離脱症状から逃れるため、さらに飲みつづけることになってしまいます。

悩みを解決すれば飲まなくなる?

初めはストレス解消のために飲んでいたかもしれませんが、行ったアルコール依存症になってしまうと、辛いから飲んでるのではなく、病気だから飲んでいるのです。悩みは誰しもが持っています。ストレス対処法もそれぞれ違うように「嫌なことが忘れられる」には?その代償が「アルコールを飲めば楽になる」といつしか自分でルールを作っているのです。アルコール依存症は、糖尿病と同じような慢性疾患です。回復はあっても完全に治ることはなく、病気とうまく付き合っていくことが大切です。飲酒のコントロールを失っているので、二度と普通の酒飲みには戻れず、少しならいいだろうという方は再度逆戻りです。節酒ではなく、断酒が必要なのです。特に自制は「乳がん」や「胎児性アルコール症候群」など女性特有の疾患のリスクを増大させます。早期に肝硬変やアルコール依存症に対する正しい認識を理解したうえで、おいしく楽しく安全にお酒と付き合うようにしましょう。