最近の日本では、学校や職場での心の問題がニュースなどでも取り上げられるほど、大きな問題になっています。それに伴ってカウンセラーの需要も高まってきています。しかし、カウンセラーになりたい人、カウンセラーに興味がある人の中には、
・「カウンセラーってどんな仕事をするの?」
・「カウンセラーにはどんな種類があるの?」
・「カウンセラーになるためにはどうしたらいいの?」
という疑問を持つ人も多いと思います。
そこでこの記事では、そんなカウンセラーになりたいという方のお悩みを解決します。
具体的には、カウンセリングを職業とするカウンセラーの主な資格3つをご紹介します。
主に、
・どんな資格なのか
・働く場所と勤務形態
・どうやってなるのか
について初心者にも分かりやすく、難しい用語を使わずに説明します。この記事を読めば、カウンセラーになるためにどうすればいいかが分かるので、ぜひ参考にしてみてください。
産業カウンセラー
産業カウンセラーとは
カウンセリングを職業とするカウンセラーの資格1つ目は、産業カウンセラーです。産業カウンセラーとは、働く人の相談に乗る職業です。また、産業カウンセラーはカウンセリング技術だけでなく、労働基準法などの知識を持っているのが特徴です。
産業カウンセラーという仕事内容は主に 、「メンタルヘルス対策への援助」 と「キャリア開発の援助」の2つをします。
①「メンタルヘルス対策への援助」
・・・ 近年、会社で働く人の心の問題がニュースなどでも取り上げられるほど大きな問題になっています。 働く人の心の問題に寄り添い、安心して社会生活を送れるように援助する重要な職業です。
②「キャリア開発の援助」
・・・働いている人がぶつかるキャリアアップや能力開発に関する悩みに寄り添いアドバイスをする職業です。
産業カウンセラーの働く場所と勤務形態
産業カウンセラーの働く場所は、学校やハローワークや、民間企業など多岐にわたります。また、産業カウンセラーの勤務形態は、正社員か派遣社員やパートなどの非正規雇用かによって違います。
まず、正社員として働く場合、人事部や総務部に所属して働いている場合が多いです。そのため、他の社員と同様の給料やスケジュールで働くのが主流です。
また、派遣社員やパートなどの非正規雇用として働く場合は、相談がある日だけの出勤で、時給制で働いています。働く時間も給料も少ないですが、家庭も大事にできるため、家庭と職業を両立させたい女性がこのような雇用形態で働いています。
産業カウンセラーになるには
産業カウンセラーになるには、 以下の3つのステップを踏む必要があります。
①受験資格を得る
②試験を受ける
③資格登録をする
受験資格の取得ルート
受験資格についてですが、受験資格を得るルートは主に以下の2つがあります。
産業カウンセラー養成講座を修了
通学か通信かのどちらかを選べるので、自分のペースに合わせて学習を進めることができます。
〇通学の場合 (受講期間) 7カ月
(費用) 約25万円
〇通信の場合 (受講期間) 12カ月
(費用) 約21万円
大学院で所定の専攻を修了
所定の単位(20単位以上)を取得することです。
どちらが受験資格を得やすいかというと、産業カウンセラー養成講座を修了する方です。大学院で所定の専攻を修了する方法だと学位による受験資格の判定が厳しいので、産業カウンセラー養成講座を受講する方が最短ルートになっています。
臨床心理士
臨床心理士とは
カウンセリングを職業とするカウンセラーの資格2つ目は、臨床心理士です。臨床心理士とは、専門的な知識や技術を使って来談者(クライエント)のカウンセリングをする専門家の民間資格です。
具体的には来談者(クライエント)の相談を受けて彼らの固有の価値観を尊重し、これからどうしたいかを一緒に考えて支援する職業です。
臨床心理士の働く場所と勤務形態
臨床心理士の働く場所は、学校内の相談室や、病院、児童相談所、家庭裁判所など多岐にわたります。また、勤務形態は主に「常勤(正社員)」と「非常勤(非正規雇用)」があります。
めでたく臨床心理士になれたとしても必ずしも常勤(正社員)で働けるわけではありません。臨床心理士になりたての頃は、非常勤(非正規雇用)でも働ける場所を見つけるのに苦労するのが普通です。
非常勤の場合は給料も安くて掛け持ちしないと生計を立てるのが難しいです。しかし、カウンセリングを様々な場所ですることによって経験値が上がります。
臨床心理士になるには
臨床心理士になるためには、以下の3つのステップを踏む必要があります。
①受験資格を得る
②試験を受ける
③資格認定証書の交付手続きを所定の期限内にする
受験資格の取得ルート
受験資格についてですが、主な受験資格は以下の4つがあります。
①臨床心理士指定大学院(1種・2種)を修了して所定の条件を満たしている人
②臨床心理士を要請する専門職大学院を修了した人
③外国で臨床心理士指定大学院と同等以上の教育を受け、修了後に日本での実務経験が2年以上ある人
④医師免許を持っていて、その資格を取得後、現場での心理的援助経験を2年以上した人
公認心理師
公認心理師とは
カウンセリングを職業とするカウンセラーの資格3つ目は、公認心理師です。公認心理師とは、平成29年の秋に施行されたばかりの日本初の心理職の国家資格です。
仕事内容も臨床心理士とあまり変わらずにカウンセリングをすることが予想されます。しかし、公認心理師は「医師の指示のもと」という文言がついています。
そのため、病院で公認心理師が働く場合は保険点数が適用になる可能性があります。
公認心理師の働く場所と勤務形態
公認心理師の働く場所は、臨床心理士と同じように多岐にわたることが予想されます。しかし、病院での地位が医師の指示のもとに保証されるようになるので、働く場所としては病院が一番多くなることが予想されます。
公認心理師になるには
公認心理師になるには、以下の3つのステップを踏む必要があります。
①受験資格を得る
②国家試験に合格する
③登録する
受験資格の取得ルート
受験資格は以下の3つです。
①大学(通信可)と大学院(通信可)で公認心理師になるために必要な科目を修了した人(期間:大学4年間+大学院2年間=6年間)
②大学(通信可)で公認心理師になるための必要な科目を修めて卒業して現場での実務経験が数年ある人(期間:大学4年間+現場での数年の実務経験)
③上記の2つと同等以上の知識や技能を持つ人
このように公認心理師になるためには、大学(通信可)の心理系学部・学科を卒業する必要があります。
カウンセラーの主な種類となるためのステップ
ここまで、主なカウンセラーの3つの資格について詳しく解説してきました。
長くなったのでまとめます。
どんな資格があるのか
①産業カウンセラー
②臨床心理士
③公認心理師
それぞれの働く場所と勤務形態
①産業カウンセラー
→学校やハローワークなどの公的な機関や、民間企業など
②臨床心理士
→学校内の相談室や、病院、児童相談所、家庭裁判所など
③公認心理師
→学校内の相談室や、病院、児童相談所、家庭裁判所など(主に病院)
それぞれのカウンセラーになるためのステップ
①産業カウンセラー
1.受験資格を得る
2.試験を受ける
3.資格登録をする
②臨床心理士
1.受験資格を得る
2.試験を受ける
3.資格認定証書の交付手続きを所定の期限内にする
③公認心理師
1.受験資格を得る
2.国家試験に合格する
3.登録する
自分で調べようと思うと、専門用語が多くてなかなか複雑ですが、この記事を読んでそれぞれのカウンセラーの特徴や資格の取り方等について確認してみて下さいね。