境界性パーソナリティ障害のカウンセリングを行うためのポイントと流れ

境界性パーソナリティー障害のカウンセリング

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境界性パーソナリティ障害のカウンセリングを行うためのポイントと流れ

境界性パーソナリティ障害とは、感情が極めて不安定で感情の波が激しく、人や物事を極端に判断したり、強い不安や衝動を抑えられないような状態を指します。
神経質、怒りっぽい、いいかげんなど、人のパーソナリティーは千差万別ですが、パーソナリティーの偏りが極端な結果、社会生活を送ることが困難になったり、自分にも他者にも悪影響が生じている場合をいいます。
境界性パーソナリティ障害は、ボーダーラインやボーダーとも呼ばれることがあります。

境界性パーソナリティ障害の診断基準

いわゆるパーソナリティーが偏っている場合の全てが、境界性パーソナリティ障害に該当するわけではありません。
境界性パーソナリティ障害の診断基準としては、アメリカ精神医学会が発行する精神障害の診断と統計マニュアルがあります。
そこでは、見捨てられることを避けようとするなりふりかまわない努力、両極端を揺れ動く不安定で激しい対人関係、慢性的な空虚感、不適切で激しい怒り、重篤な解離性症状などがあります。
こうした症状のうち5つ以上に該当することが、境界性パーソナリティ障害の診断基準となります。

境界性パーソナリティ障害の原因と治療

境界性パーソナリティ障害の原因としては、社会的要因と生物学的な脆弱性の相互作用として捉えられます。
小児期における虐待、無視、親の死亡や離別などによって、心身に傷を負うような経験をした結果、その傷が現在の生き方や認知などに影響を及ぼすのが社会的要因です。
こうしたいわゆるトラウマ体験が、生物学的な脳や神経などの脆弱性によって強化されたり治癒されない結果、症状となると考えられます。
治療方法としては、精神分析、薬物療法、認知行動療法など様々な手法の併用が一般的です。

境界性パーソナリティー障害とカウンセリング

カウンセリングを実施することで、境界性パーソナリティー障害の症状の緩和や改善を図ります。
具体的には、激しく揺れ動く感情のブレを調節したり、困難や苦痛に弱い耐性の強化などを目的とします。
また、対話によるカウンセリングのほか、社会適応訓練を視野に入れた対人関係能力の改善や向上なども図ります。
適切なカウンセリングを通じて、今まで流されるばかりであった自分の思考や感情を確認できるようになったり、それらと適切に付き合っていく力を養います。

カウンセリングの困難さと工夫

境界性パーソナリティー障害の治療やカウンセリングは難しいという課題があります。
その理由は、境界性パーソナリティー障害の症状である他者の巻き込みや極端な行動などが、治療やカウンセリングに必要な安定性や信頼関係の大きな妨げとなるためです。
そのため、境界性パーソナリティー障害のカウンセリングを実施するためには、高い技術や知識、経験などが重要になってきます。
また、カウンセリングの実施にあたって場所、時間、許されない行為などのルールを明確に規定し、適用するなどの枠組みの構築も重要です。
その他、他者を巻き込むという症状のリスクをふまえて、思わぬトラブルに巻き込まれないよう、ここまでは許すが、それ以上は許さない、といった限界設定も大切です。
こうした枠組みや限界設定は、治療者やカウンセラーの負担やリスクを軽減すると同時に、適切な治療環境や信頼関係の構築にも有用な取り組みとなります。

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