カウンセリングにおける枠組みとは、カウンセリングを行う場所や時間など、カウンセリングを構成する様々な要素について、あらかじめルールを設けておくことです。
カウンセリングの目次
枠組みの意義
カウンセリングについての諸要素についてあらかじめルールとして枠組みを設けておくことは、カウンセラーとクライアント双方の身を守り、その権利や利益を守ることにつながります。
場所についての枠組み
カウンセリングを行う場所について枠組みを設けることです。例えば、カウンセリングを実施する場所はカウンセリングルームに限るなどです。
場所について枠組みを設けることなく、スケジュールや都合に合わせて他の場所でカウンセリングを実施すると、プライバシーや集中力などの観点から弊害が生じることがあります。
特に、カウンセリングに慣れてきたり、信頼関係を築くことができたと思い、カウンセリングの場所をカウンセラーやクライアントの自宅に設定することは大きなリスクを伴います。
場所についてきちんとした枠組みを決めておくことで、プライバシーの侵害などの弊害を防止することができます。
また、カウンセリングを行う場所が複数ある場合も、同じクライアントとは同じ場所で会うようにすることが、カウンセリングへの慣れや信頼関係の構築という観点から望ましいと言えます。
時間についての枠組み
カウンセリングを実施する時間について、あらかじめ枠組みを定めておくことです。
時間についての枠組みは、カウンセラーとしての活動時間全体についての枠組みと、クライアント一人一人に応対する際のカウンセリングの時間についての枠組みがあります。
活動時間全体に枠組みを設けることで、時間外に対応がなかった事を理由とするクレームやトラブルを防止することができます。また、自分の生活やプライベートの時間を確保することができます。
一人一人に対するカウンセリングの時間の枠組みを設けることで、カウンセラーとして、その時間内で全力を注いで集中すればよいというメリハリをつけることができます。
クライアントの側としては、時間を守ってカウンセリングに通うという責任感を持つことができ、カウンセリングの継続に役立ちます。
方法についての枠組み
カウンセリングの実施方法について枠組みを定めることです。
実際に顔を合わせて対面式でカウンセリングを行う、スカイプなどを用いて遠隔でのオンラインカウンセリングを行う、メールのやり取りだけでカウンセリングサービスを行う、などです。
また、カウンセリングに立ち会う人物の人数を定めることも、方法についての枠組みの一種です。
方法の枠組みを定めることで、カウンセリングをどのように実施するかについての誤解やトラブルを防止することができます。
カウンセリングの実施についての枠組み
どの時点からカウンセラーとクライアントの関係が始まるか、カウンセリングの始まりと終わりについての枠組みを定めることです。
契約書に双方が署名することをカウンセリングの始まりとし、終了する場合については別個に契約書に定めるなどの方法があります。
カウンセリングの始期と終期を明確にすることで、あいまいな依存関係やカウンセラーなのに話を聞いてくれない、といったトラブルを防ぐことが出来ます。