悩みの原因カウンセリングの主訴をうまくつかむ方法

主訴をつかむ方法

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悩みの原因カウンセリングの主訴をうまくつかむ方法

仕事のできる人ってどんな人?と考えた時、真っ先に浮かぶのは、話が分かりやすく簡潔にまとめられる人ではないでしょうか。逆に仕事が実はできない人は、やたらと難しい言葉を連呼して、話が長いような状況を指すと筆者は思っています。

では、わかりやすく話せる人とそうでない人の違いはどこにあるのかというと、主語・述語がはっきりしていて、話の芯を掴めているかというところにあります。

カウンセリングでも結局同じ事で、カウンセラーはいかに早く正確に、クライアントが何に困っているかを見抜くかが、クライアント治療のカギになります。心がツライ時、頭の中も混乱しているため、いつもにも増して話がうまくまとめられない場合も多く、カウンセラーがうまく質問をして、話の中心に誘導する事で、中核をキャッチできます。

クライアントが困っている事を、「主訴」と言い、これをうまくつかむ訓練がカウンセラーには必要になります。今回は、この「主訴」についてのお話です。

カウンセリングの目次

主訴を掴む

例えばクライアントが「毎日眠れないんです」と相談に来たとします。カウンセラーはこれを「うつ病ですね」と診断してしまうと、その判断に捉われて、細かい部分を見落としてしまいます。カウンセリングを主訴の視点で見ると、クライアントが困っている主訴が改善される事が本来の目的ですので、初期設定を見誤ってしまうと、カウンセリングは無意味なものになってしまいます。

又、主訴が変化していく場合もあります。子供の摂食障害が最初の主訴だったものが、その原因が両親の不仲である場合、初期設定から主訴が移り変わっています。しかし主訴が変化する事は決して悪い事ではなく、カウンセリングが順調に進んで初めてわかる事だと言えます。

主訴と見立て

「話を(ただ)聞く」事と「心理カウンセリング」はどう違うのでしょうか。前者は相手の口から出てくる言葉を拾っているだけで、後者は頭をフル回転させて、相手の悩みの核(主訴)とその根本原因を掴む(見立て)事を主な目的とします。

人は、視覚や感覚で経験したことを、1割も言葉で表現できないものなのだそうです。その状況下で、クライアントが最も理解してほしい部分(主訴)と、問題の中核に当たる部分(見立て)を確実にしかも短期間でつかむには相当な訓練が必要です。しかしながらクライアントがふわっと感じている「なんかツライ」「なんかイヤだ」と言った言葉の奥をきっちりつかみ取れることが、心理カウンセラーの重要なスキルだと言えます。

最後に

日常生活において、ビジネスの場面から家族の会話、ご近所づきあいや子供との会話においても、この主訴と見立てを掴むことができるようになれば、色々な事がスッキリまとまり効率的です。もちろん私たちは心理カウンセラーではありませんので、その奥の心理まで深読みすると、こちらが疲れてしまうので、そのせいでこちらの心が疲れては本末転倒です。

これから相手の話を聴く時は、ただ相手から出てくる言葉を、出てくる言葉通りに聞き続けるだけでなく、相手の言いたい事は何かを、様々な角度から質問する事で引き出す訓練をすると、相手とのコミュニケーションも取れて、一石二鳥ですよね。