カウンセリングを主題とする映画作品についてです。
カウンセリングの目次
17歳のカルテ
1967年、17歳のスザンナ・ケイセンは、目まぐるしく変わる周囲や世界に息苦しい不安を感じ、薬を大量に飲んで自殺を図りました。
一命を取り留め、軽い気持ちでカウンセリングを受けたスザンナが診断された病名は、境界性人格障害でした。
不安で擦り切れそうな神経を抱えながら、精神病院の閉鎖病棟で過ごすことになったスザンナは、反社会性人格障害のリサという少女に出会います。
スザンナは、危険な魅力を持つリサに強く惹かれていきます。リサや病院で出会う人々との関りを通じて、スザンナは見失った自分を取り戻す道を、徐々に見出していきます。
映画の原作は、スザンナ・ケイセン本人の回想録です。閉鎖病棟で実際に2年間の入院生活を過ごした彼女が、退院から25年後に語った鮮烈な物語は、アメリカでベストセラーとなりました。
多感な時期の少女の悩みと希望を、意外性のあるユーモアとともに温かな視点で描いた作品です。
温かさと同時に、閉鎖的な空間において展開される強烈な狂気をも表現した映画です。
おつむて・ん・て・んクリニック
重症の強迫症患者と有名な精神科医のカウンセリングでのやりとりを、面白おかしく描いたブラックコメディーの映画です。
様々な脅迫少に悩まされるボブは、これまで多くの精神科医にかかっては彼らを悩ませ、廃業に追い込んできた人物です。
ボブに悪意はまったくなく、素直で温和な人柄ですが、カウンセリングにかかっている間に、相手に過大に転移を起こしてしまい、結果としてストーカーのようにつきまとってしまうという癖があります。
そんなボブが、ベイビー・ステップという名の斬新な精神療法を産み出し、その本を出版して有名になった精神科医であるマーヴィン博士の患者になることから巻き起こる事件を描いたものです。
ボブに困り果てた博士は、最終的にある計略でボブを排除しようとするのですが、それをきっかけに患者と博士の立場が逆転します。
これは、アメリカの心理療法やカウンセリングの現場を痛烈に皮肉ったもので、笑いの中に、実は考えさせるものが多く含まれている映画です。
グッド・ウィル・ハンティング
愛する妻を失い失意の中に沈んでいた心理学者と、幼少期のトラウマから深い心の傷を負った天才少年の、温かな心の交流を描いた映画です。
アメリカのマサチューセッツ工科大学の数学教授であるジェラルドは、ある日アルバイトの清掃員であるウィルが、数学の難問を簡単に解いてしまったことを発見し、興味を抱きます。
ジェラルドは、事件を起こしては拘置所に入ることを繰り返していたウィルの世話をし、更生させることを決心しました。
ジェラルドがウィルに出した条件の一つは、週一回のカウンセリング受けることでした。
ウィルはカウンセリングを行うセラピストには全く心を開かず、難題をふっかけては追い返してしまいます。
手を焼いたジェラルドは、学生時代の友人で心理学を教えるショーンに協力を要請します。
お互いの心の傷に気付いた孤独な2人が、徐々に心を通わせていく過程を丁寧に描いた作品です。カウンセリングの喜びや難しさも描写されています。